2010.12.21 カテゴリ: 心霊スポット探訪記
心霊スポット探訪記 第十話 福島県「幽霊ペンション」

鬱蒼とした森のなかに頼りなげに続いている一本の道を進んでいくと、目の前に浮き上がるようにして現れるのがこの福島県でも有名な心霊スポットです。「幽霊ペンション」「お化けペンション(バケペン)」「グリーンランド」「翁島ペンション」などさまざまな名で呼ばれ、正式な名称が定かではないところがこの物件の古さやひっそりとした経営の様子を思い浮かばせます。
エントランスから正面の円形をしたリビングルームに抜け、そのまま空が覗ける鉄骨むきだしとなった二階へと風の通り道ができていて、いくらか冷たい風が身を震わせます。目の前には暖炉と、円を巻いてせり立つ煉瓦造りの壁。この壁に描かれている、色白の顔にどす赤い紅を塗りたくり、血の涙を流しながら不気味に嗤う男のペイントとの出会いは、私の心を奇妙な高揚感に躍らせるはずでした。
しかし、それはすでに周囲を濁しながら姿をくらませ、心の内を見透かされているような妖気を孕んだ笑みについに対面することは叶わなかったのです。おそらくは除去作業が入ったのでしょう。目立つ落書きは洗浄跡を濃く残して、すべて消されてしまったようです。



二階へと上がると、吹き抜けになっている暖炉のあるリビングを取り囲むように部屋が並んでいます。現在は壁の跡形がなく空間が広がって見えますが、実際には温かみのある廊下にせまぜまと扉が並んでいて、そこから手すり越しにリビングの様子を見下ろしたり、廊下をぐるぐると走り回りながら遊んだ子どもたちもいたことでしょう。現在は見事なまでに緑々しくて植物園のようになってしまっていて、またいたるところに荒らされた形跡が残されていますが、この様子から当時のぬくもり溢れるペンションを思い浮かべることは少し難しいかもしれません。
このペンションから人がいなくなり、これほどまでに荒れ果て、心霊スポットとしての噂がおこったのは、ここを現場とした凄惨な事件があったとことに起因するといわれています。情報はかなり錯綜しますが、以下に箇条書きで記すと、
・オーナーが自殺した(地下ワインセラーでの首吊り自殺、焼身自殺)
・奥さんが我が子を殺害、一家心中
・地下ワインセラーに死体が遺棄されている
・二階の客室で殺人事件
などなど、インターネットでちょっと調べただけでもこれだけ出てきます。かつては花束が手向けられていたこともあったそうですが、これほど肝試しや調査目的で訪れる人がいる場所なので、それが本当に惨事の事実にむけて供えられたものなのかどうかも分かりません。ただ、これまで、事件・事故の事実が確認されていない噂にとどまる心霊スポットにおいて、このように花が実際に手向けられてあるという前例は見たことも聞いたこともありません。



二階から、リビングを俯瞰。かつて、ここが宿泊客やオーナー一家の生活が互いに温かく溶け込みあう中心の場であったとは考えられません。朽ちた建材が積み重なるこの下には、地下ワインセラーへと続く階段があったといわれています。それもコンクリートで固められてしまったと処理されることで、誰も立ち入ることが、そして究明することができない迷宮入りの物語に容易に成り代わってしまいました。
この廃墟になにかがあるとしたら、なにかが感じられるとしたら、やはり暖炉のあるこの場所なんだと思います。ペンションの中心であり、多くの出会いと語りの時間が紡がれたこの場所は、場を同じくして終焉の舞台でもあったのです。賑やかな場から、静粛な空間へと位相を違えることを強いられたこの暖炉のある場所が、なにか強い表情を持って訴えをおこしていることは、ここを訪れた誰もが感じたことではないでしょうか。

(Finepix S100FS)



レンガの暖炉に惹かれて
行ってみたいと思っているんですが…
やっぱ最強心霊スポットと言われるだけあって、さすがに抵抗感があります☆
私は霊感は無いんだけど…
かなりチキンなのです。
そうくさんは怖くないんですか〜(><)?
いや、私も当然怖いですよ−! でも一緒に、私も霊感はまったくない…というか一般的に言われているような典型的に語られる幽霊の存在がにわかには信じられなくて、見られるものなら見てみたいという思いもあります。
それよりも、ウラデコさんも当然つねに考えていることと思いますが、ひとけのない廃墟で本当に怖いのは生身の人間です。正常判断力の欠落した浮浪者・犯罪者や、誰にも知られずにひとり息絶えた方に遭遇する機会がないとは言い切れません。ウラデコさんも、本当にお気を付けてくださいね。
あと、多くの方が言われてますがこの廃墟は見落としがちな場所にあって分かりづらい(目印になるのは磐越自動車道の橋くらい…?)ので、もし行かれる際には入念に情報を確かめたほうが良いかと思います!
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